最近、実物を見ている造形家諸氏や知人からやたら画像の公開を迫られるのがこの女性フィギュア。 動機も不純だし、たいしたテーマ性もないので、本音を言うとあまり載せたくなかったんですがね。 でもまあ、こんなものもあるんだよ、と言うことでいいでしょうか。サイズは全て1/6です。 上の2つが2年程前、1番下のものを造ったのは遥か昔です。
この作品のそもそもの発想はフランケンシュタイン。
映画の中でのキャラクターはみんな化け物みたいな姿してますよね。
使用した脳が異常者のものだったり、ダメージを受けていたりで凶暴になるのはわかるけど
体のパーツはそれぞれ優秀なものをつなぎ合わせたんじゃないの?何でそんなになっちゃうわけ?
もし、その道のエキスパートのボディパーツをつなぎ合わせたらどうなるだろう、と思って造り始めたのがコイツです。
オリンピック選手レベルのパーツで、ボディは水泳選手、腕はアマチュアボクシング、手首はロッククライマー、
両足はスピードスケート選手と設定を決め組み立てました。
ところが意外なことに各パーツはそれぞれインパクトがあるのですが、全部合わさると実に大人しい印象しか受けません。
むしろ幼い少女の印象すら受けてしまいます。これは本当に意外でした。
女性の体に縫い目を入れると言う表現に嫌悪感を覚える方がいます。
傀儡龍も、そこまでアブノーマルではありませんから、ナチュラルな表現の女性の体が
いちばん美しいと思います。ただ、今回は上記のようなコンセプトのもとに作成したので、
誇張された肉体がマンガになってしまうのを避けるため、あえて縫い目を入れました。
日本人女性の体型である事、筋肉を誇張するにしてもボディビルダーのようにはせず、
あくまでスポーツ選手の筋肉表現とする事。この2つを常に念頭において造形しました。
フランケン少女が完成すると必然的に狼少女が造りたくなります(変ですか?)
ただ、そのまんま狼少女ではひねりが無いので熊女にすることにしました(笑)
と言うことでタイトルは「マダム ミキ ザ ベア・レディ」
毛深そうな濃い顔してます(ちょっと安達ゆみみたいな顔になっちゃいました−爆)
今回は思いっきりボディビルダー的筋肉表現にします。
サイズもちょっとひねってフランケン少女(フレッシュゴーレムって呼んで)が160cm前後なのに対し、
熊女は175cm以上としました。
さて、完成してみると…やりすぎてマンガになっちゃいましたね。
目の表現なんかもちょっとアニメっぽいです。
ここまで来ると私の妄想はもはや、歯止めが利かなくなっていました。
どうせなら色々な体型の女性を造ってやれ、と言うことで脂肪質とスレンダーな女性を造ることに決めます。
ルネッサンス時代の絵画のような脂肪質の体型で魔女を次のテーマに定め、造形を開始しました。
(やっぱ変ですか?)
が、さすがに自分が情けなくなってボディを70%ほど造ったところで、
家にやって来た友人の造形師が「いりません」と激しく拒絶するのを脅して強引に持って帰らせてしまいました(笑)
だから、その画像はありません。
恥のかき捨てということで、頓挫した作品をもうひとつ。
これは、ある映画キャラの原形として造っていたものですが、途中で企画が流れてそのままになりました。
江戸川乱歩原作の「火星の運河」にでもしようかと思ったんですが、いかんせん体型が外人モデルで、
ポーズも面白くない。造る気が失せてしまいました。
こういう均整の取れすぎたマネキン然とした人形は造っていても面白くないですね。
傀儡龍はすっかり「筋肉ダルマ」ばかり造る習慣が身に付いてしまいました。困ったもんです。